だいこんダイバー!?―Cカード取得後の必読書

「つり人社」(2008/07) 赤木 正和・田中 光嘉(著)
19×13cm 206P
¥1,470(税込)

8,000本のタンク本数を誇るNAUIイントラで、関西で活躍中の水中写真家である赤木氏が、一般のレジャーダイバーに対し警鐘を鳴らす一冊。
本書は、ダイビングの諸問題を体系的に網羅しているものではなく、氏の長年の経験から日頃感じている、一般的な
レジャーダイバー側の問題、インストラクター側の問題、ダイビング業界内の問題など、ダイビングの世界に潜む
さまざまな問題をランダムに取り上げ、独自の視点から分析、解説しています。
そういった意味では、ダイビングのマニュアル的な読み物ではありませんが、その主張は、さすが長年この業界に
携わってきて、さまざまな経験を積んできた氏だけのことはあると、納得できるものです。
普段なにげなく見過ごされがちなことや、「まあ、いいか」と中途半端なまま済ませてしまうようなことの中に、
実は大きな問題を含んでいる場合があり、改めて考えさせられます。
一般にはほとんど語られることのない隠れたリスクなどについても、鋭く分析し、分かりやすく解説しています。
特にダイブコンピュータに潜む問題については、かなりウェイトがかけられており、ダイコンの示す数字に絶対的な信頼を
寄せてしまいがちな一般のレジャーダイバーが、十分注意すべき事がいろいろ書かれています。ダイビングを始めた初心者の
方だけでなく、ベテランダイバーの方にも是非一度読んでいただきたい内容です。
なお「ダイコン」ならぬ「大根」を腕につけて得意顔のダイバーが書かれた表紙の絵には、今のレジャー・ダイビングに
対する強烈な風刺が込められていますが、本書を読んだ後には、この絵が単なる笑い話ではないことを実感します。

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